希釈

希釈
荒木田慧の詩集 心の詩より
ぐつぐつ
ぐらぐら
ごとごと
煮詰まったそれで
鼻も喉もあふれて
息のできない私を

私は
誰かで
希釈したくて

あちこち
出かけてって
交わる

私が散って
移って
薄まりさえすれば
あとのことなんか
どうでもよくて

でも
どこまで
出かけてって
誰と
交わっても
薄くなんか
なんない

退屈なオセロ
パタパタ
ひっくり返しちゃって
(石は絶対に黒で
白に勝ち目はない)

薄くなるどころか
ますます
強く
どぎつく
交わった数だけ
濃いまま分かれて
肥大していく

コップから鍋から井戸から
噴きこぼれて

拭いて噴きこぼれて
拭いて拭いて噴きこぼれて

ぐつぐつ
ぐらぐら
ごとごと

火はけして消えない
けしてけして消えない

水がほしい
水がほしい
水がほしいと

喘いで
喘いで
喘いで

夜な夜な

なにかの原液のようなものを
ごんごん燃え盛る私に
なみなみたたえて

あのすみません
誰か
水のような
誰かは
いらっしゃいませんかと

果てたくなくて

夜な夜な









2018年8月26日

他の心の詩