ちょろいおんな

荒木田慧の詩集 「心の詩」より
たぶんわたしは
桃太郎にでてくる
犬サルきじより
ちょろいおんなです
きびだんごとか
もらわなくても
声かけられたら
ついていっちゃいます
そのひとのなかになにか
ひかりをみて
それがきれいだとおもったら
ホイホイ
ついていっちゃいます
鬼退治であれ何であれ
銀行強盗であれ何であれ
わたしはそれで
ずいぶんと
とおいところまで
行きましたし
ずいぶんと
惨めな思いも
したような気がしますが
あなたが笑いかけてくれたら
わたしはそんなこと
ぜんぶ忘れちゃって
しっぽをぶんぶんふって
やっぱりあなたのあとを
ついていってしまいます
玄関のかぎは
外側につけたまま眠り
家にきた人は
なかに上げ
お茶をだし
話をします
それでちょっとこわい思いをして
でもそれを忘れて
それであぶない目にあっても
たぶんそれも忘れて
蛍光灯に焦がれる蛾みたいに
あなたの方へ飛んでいく
ばかでしあわせな
ちょろいおんなだと思います
2018年5月8日
桃太郎にでてくる
犬サルきじより
ちょろいおんなです
きびだんごとか
もらわなくても
声かけられたら
ついていっちゃいます
そのひとのなかになにか
ひかりをみて
それがきれいだとおもったら
ホイホイ
ついていっちゃいます
鬼退治であれ何であれ
銀行強盗であれ何であれ
わたしはそれで
ずいぶんと
とおいところまで
行きましたし
ずいぶんと
惨めな思いも
したような気がしますが
あなたが笑いかけてくれたら
わたしはそんなこと
ぜんぶ忘れちゃって
しっぽをぶんぶんふって
やっぱりあなたのあとを
ついていってしまいます
玄関のかぎは
外側につけたまま眠り
家にきた人は
なかに上げ
お茶をだし
話をします
それでちょっとこわい思いをして
でもそれを忘れて
それであぶない目にあっても
たぶんそれも忘れて
蛍光灯に焦がれる蛾みたいに
あなたの方へ飛んでいく
ばかでしあわせな
ちょろいおんなだと思います
2018年5月8日
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