クソみたいな一日

クソみたいな一日
荒木田慧の詩集 生活の詩より



午過ぎにのそのそと起き出し

ビーサンをつっかけ

近所のコンビニ前で

タバコを一本巻き上げ

歩きながらそれを喫い

吸殻はろくに消しもせず

エラソーな石塀に投げ入れ

擦り寄ってきたどこかのシャム猫の

しろい横っ腹を蹴り上げ

横断歩道の向かいの

自転車を押す主婦を視姦し

チェーン居酒屋の裏の

ゴミバケツを引き倒し

残飯をぶちまけ

公園の水飲み場で

蛇口から直に水を飲み

ボランティアの老人どもが植えた

咲きたての花壇を蹴散らし

転がってきたサッカーボールは

容赦無く車道へ投げ

道端の目立つところに痰を吐き

スーパーの試食の

シャウエッセンを食い尽くし

駅前の駐輪場で

洒落てるやつだけ

ことごとくパンクさせ

自販機の釣り銭口をたしかめ

舌打ちし

大声で歌い

小学生の下校班をおどかし

庭先の情けない顔した犬の鎖を

コソコソとほどいてまわる

暮れかけの神社で

神様をたたき起こし

起こすだけ起こして

拝みもせず帰り

敷きっぱなしの煎餅布団のうえで

飲めない安酒あおって寝る

クソみたいな一日
クソみたいな一日

そんなことしないけど
絶対しないけど

しちゃいたいような一日
しちゃいたいような一日









2018年7月10日

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