対話




わたしが地面においた詩集を
みていいかと尋ねてから手に取り
これはゲーテかランボオか
とあなたはきいたが
それは石垣りんの詩集だった

詩を読むのか
ときいたら

読まない
とこたえた

絵を描くのか
ときいたら

描かない
とこたえた

あなたが夢で行ったアメリカの話をしてくれたとき
アメリカのどこにいったの、とわたしはきき
あなたは
どこだかわからない
といって
話はそこでおわってしまった

夢のなかのアメリカは
どんないろで
どんな風が吹いていて
どんな匂いがして
どんなひとがいて
あなたはそこでなにをおもったの



そう
きけばよかった

夢で釣りに行ったら
なにも釣れなかった話もしてくれたけど

そのとき海はどんないろで
太陽はどれくらいのつよさで
潮風はどんなにおいで
空に雲はながれていただろうか

あなたはどんなさかなを待っていて
それがこなかったとき
どんなきもちになったのだろう

わたしはそれもきかなかった









2018年4月28日
生活の詩より