なにかいつも忘れている

なにかいつも忘れている
荒木田慧の詩集 「心の詩」より
わたし
いつも
忘れているような気がして

なにか
かけがえのないもの
取り返しのつかないこと
償いようのないもの

そういうものを
忘れているような気がして

なんども振り返り
椅子にふれて
席をたしかめ

でも
わたしは
なにも忘れていないようで

すこし安心して
また歩きだすと

また
なにか
忘れているような気がして
(振り返る)

わたしはいつも
なにか忘れている

わたしはなにか
いつも忘れている

わたしはそれを
忘れるのがこわくて
(しゃがみこむ)









2018年5月16日

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