うまいだとか きれいだとか

うまいだとか きれいだとか
荒木田慧の詩集 心の詩より
みちでえをかいていたら

あなたがよこにきて

うまいもんだね

といった

わたしは

へたで

じしんがないから

かいているんです

とわらって

あなたは

そうか



でもうまいよ

といってくれた

つぎのひ

またみちで

えをかいていたら

あなたたちがよこにきて

わたしのえを

きれいだと

いってくれた

わたしはやっぱり

へたで

じしんがないから

ここでかいているんだと

わらったけど

でも

きれいだね

きれいだね



あなたたちは

くちぐちに

いってくれた


わたしはいつも

じぶんのえが

だれかとくらべて

うまいかとか

きれいかとか

そんなふうにおもっていたけど

ほんとうは

わたしのえが

だれかとくらべてとか

ほんとうに

うまいかとか

きれいかとか

そんなことは

ほんとうは

どうでもよいことで

わたしは

あなたたちが

わたしのつたないえを

うまいとか

きれいとか

ほんとにそうおもったのかも

わからないけど

でも

あなたたちが

わたしのとなりにきて

わたしのえをのぞきこんで

なにかをおもって

それを

のどをふるわせて

わたしにうたってくれた

そのことが

ただうれしくて

ゆうがたになって

みちからたちあがって

すなをはたいて

ひにやけたほおで

いえにかえって

わたしは

それから

うれしくて

うれしくて

ぼろぼろとこえをあげてなきました









2018年4月30日

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