乳
荒木田慧の詩集 家族の詩より
朝に出る牛乳を
あなたはいつも飲めず
ベッドの脇の小さな冷蔵庫にためてゆき
私にそれを持って帰ってほしいと言う
早く飲まないと悪くなるから、と

私は家でそれを飲む

あなたの血と肉に
なるはずだったものを

私は飲む
飲んで生きる

硬く四角い紙パックと
ストローを吸う私の口唇

私は飲む
あなたの血と肉を

私は飲む
飲んで生きる

やわらかくまるかった
あなたの白い乳房と
それを吸ったいつかの
私のあかい口唇










2018年7月18日

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